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73.山陽女子ロードに出ちゃいました
 そもそもこの大会にエントリーしたのが間違いだった、と気付かされたのは前日の開会式会場。いや、いろんな人から聞いてうすうす気付いてはいたけれど、この大きなレースには今まで出ようと考えてみたことがなかったので、どんなにレベルの高い大会なのか、全く分かっていなかったのです。

 女性エリートランナーのためのロードレースという印象だったこの大会に、今年から新設された一般10km部門。主催者側としては出場者を大幅に増やしたいという意図があったらしいのですが、制限時間が1時間と、ちょっぴり厳しい、でも普通に練習している人にはクリアできる微妙な時間だったのがかえってアダになったのか、100人の枠に対し応募者は29人という少なさ。

 本当にどん尻を走る羽目になるなあ〜と、一緒に応募した友達と悩みました。開会式会場は、自分たちの身の置き所がなく、えらい場違いな場所に来てしまった! という後悔でいっぱい。開会式後に催された立食形式の歓迎レセプションではひたすら飲んで食べまくったけれど、やはり心は晴れず。

 会場からの帰り、「明日朝、棄権するなら連絡頂戴よ!」とお互い言い合って帰りました。


 さて翌朝。重い気分で起床。朝食を食べながら新聞をめくるとロードレースの記事が目に付き、またまたプレッシャー。

 のろのろと準備をするも、レースではく予定のジャージが見つからずゴソゴソしていると友達からメール。「やった!辞めるってメールかな!?」なんて超後ろ向きな気持ちで開いてみると「naruちゃん何時ごろ来るの?私は8時半ごろ行ってアップする予定」という、全く前向きの文章でした。ああ、彼女はやる気だ。こりゃ私も腰を上げるしかないと覚悟を決め、ジャージ探しをあきらめて別のもので準備。会場へ向かいました。

 10時が最終点呼というのに会場のある県総合グラウンドに到着したのは9時20分。しかも車が多くて駐車できず、桃太郎スタジアム(陸上競技場)とは反対方向の球場南側へ止める羽目に。トボトボと歩いてスタジアムに向かっていると、総合グラウンド内では既に大勢の選手がアップをしていました。選手の中でこんな時間に来るのは私ぐらいなもんだったでしょう。なめてますワタシ。ていうか、ますます焦ります。

 友達と会った時には彼女はもうアップを済ませていて、私も慌てて着替え、スタジアムの周りをグルグル。もうアップしている人はいません。その代わり報道の人や応援の人でいっぱいでした。私たちを応援に来てくれている人にも会って、情けない顔で「今来たの〜」と言うと、「だったら早くアップしてきなさいよ!」と発破をかけられたりしました。


 10kmの点呼の10時はハーフのスタート時刻でもあったのでスタジアムに戻り、スタートを見ました。ハーフに出場する友達の応援をしながらも、心ここにあらず。緊張はピークに達しつつあります。

 いよいよ点呼。9ブロックに分かれて番号と名前を呼ばれます。ワタシは8ブロックで、友達と同じでした。1ブロックから順に後ろへ並びます。実業団や高校生などの高速選手は当然前に並んでいるようでした。(前の方はよく見えない)


 スタートの号砲と同時にみんなダッシュで走り出します。のっけから市民マラソンとは大違いの高速ペースに、あえぎあえぎスタジアムの中を2周半。その後総合グラウンドの中を横切り、武道館前を通過して一般道に出ます。

 武道館手前で2kmの表示。このとき時計を見たら9分55秒。ワタシにとってはかなり速いペースです。これでは10kmもたないと思い、徐々にペースを落とさなきゃなあと思いながら横にいる友達を横目で見ると結構余裕そう。

 総合グラウンドの外に出ると結構な風で、帽子が飛んでしまいました。それを拾っている間に友達に後れを取り、そのまま気持ちが途切れてペースダウン。たちまち一人旅状態になってしまいました。それでも何とか友達の姿を前方にとらえつつ、1km5分ちょっとのペースを何とか守りながら走ります。

 車ではよく通る見慣れた景色も、自分の足で、しかも歩道ではなく道路を走っていると思うと少し心が躍ります。沿道にはたくさんの応援の人たち。多くはトップ選手を見たくてこの寒空の中出てきているのでしょうが、それでも声をかけてもらえると嬉しいもの。時々「これ(ワタシのこと)が最後かな〜」なんて声が聞こえてくるので、思わず心の中で「まだ後ろがいるよ〜!」とツッコミを入れます。

 最初の難所、山陽本線をまたぐ跨線橋を越え、長女の通う学校の前を通りましたが娘の姿は見えず。後で聞くと「見たかったけど忙しくてそれどころじゃなかった!」とのことでした。第二の難所の新鶴見橋はきつかった! この辺りから少しずつ友達との差が開いていったような気がします。

 メディアコムの前を左折し、比較的新しい平坦な道を進みます。きれいな道は走っていて気持ちのいいもの。沿道のちびっ子の応援にも笑顔で応えたくなる気分です。実際には無理だったのですが。
友達の後ろ姿を数百m先に見ながら平地を割合気持ちよく走れていましたが、また橋。そりゃそうです。線路をまたぎ、川をまたいでいるコースです。これに加えてハーフになると地下道を走る過酷なコースになります。娘たちの母校そばを通ります。まあ私には関係ないですけど〜。

 この橋と、それにかなり強めの向かい風に苦しめられながら、随分ペースを落としてしまいます。ほぼ連続で橋が2つ続き、最後の岡北大橋では沿道のおばちゃんが「ほら、ほら、頑張って!」と一緒に上ってくれました。ワタシはつい「えらいよう〜」とそのおばちゃんに向かって泣き言を言ってしまいました。

 岡北大橋の一番高いところに上がると、もうスタジアムが見えています。たくさんの沿道の人たちの顔も見えます。あと1km。ここいらでスパートをかけたいところですが、悲しいことに足が上がりません!

 橋を下りきった交差点ではすべての進行方向の車が私一人のために(仕方なく)止まってくれています。当然注目を浴びています。ある意味スターです。「こいつまだ走ってんのかあ〜。早く行けよ〜! だりーな」的な冷たい視線であろうとなかろうと。情けない顔をして走るわけにはいかないので、何とか一生懸命走ります。ちょっぴり心の中では、「もっとおしゃれなウエアで走りたかったな〜。てかもっと痩せるべきだった!」とか何とか思いながら。

 ここからゴールまで、ずっと人の目があるわけで、もうスピードダウンするわけにはいきません。時計を見る余裕もなく、スタジアムに入ると友達の姿が見えました。ちょうど友達がゴールする時その横をワタシが通過。時計は50分を切っていました。が、ワタシはそこから400m残っています。やっぱりトラックはワタシ一人。テンションを上げながらうりゃーっと走りましたがなかなかゴールが遠いんです。

 終わってみれば目標の55分を切る51分41秒。でも、もしかしたら、もうちょっと早く練習をスタートさせていたら、もうちょっと頑張れていたら50分切れたかな? なんて思いがふつふつとこみ上げて、また近いうちに10km走っちゃる!と欲が出てきてしまいました。
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ラップタイム(自分の時計で)
最初の2km 9’55
3km地点  5’11
4km    5’06
5km 5’05
6km 5’09
7km 5’03
8km 5’40
9km 5’32
ラスト4’59


at: 2008/12/23(Tue)


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